糖尿病について
糖尿病は、血液中の糖分(血糖)が高い状態が続く病気です。
放置すると、将来的に
目・腎臓・心臓・血管に深刻な合併症を引き起こすことがあります。以前は「糖尿病があると寿命が短くなる」と言われることもありましたが、現在は治療が進歩しています。
早期発見と適切な治療を続けることで、健康な方と変わらない生活・寿命を目指すことが可能です。
当院の治療方針
当院では、単に血糖値を下げるだけではなく、次の4つの指標を総合的に整えることを重視しています。
- 血糖値
- 体重
- 血圧
- コレステロール
これらをバランスよく管理することで、合併症を予防し、健康寿命を延ばすことを目指します。
お薬は、次の点を総合的に考えて選びます。
- 体格(肥満・やせ)
- 心臓や腎臓の状態
- 低血糖の起こりやすさ
- 年齢
- 飲みやすさ・続けやすさ
- 費用負担
患者様一人ひとりに合わせて、無理のない治療をご提案します。
検査について
糖尿病の状態や合併症の有無を正確に把握するため、定期的に検査を行います。
初診時の検査
糖尿病のタイプや原因を確認し、合併症が出ていないかを評価します。
- 採血
- 尿検査
- 必要に応じた追加検査
定期検査(3か月ごと)
治療効果や合併症の有無を確認します。
- 血液検査:血糖値、HbA1c、LDLコレステロール、腎機能 など
- 尿検査:腎臓の合併症チェック
糖尿病のお薬の特徴
糖尿病のお薬にはそれぞれ特徴があります。
当院では、効果・副作用・体重への影響・費用などを考慮して選択します。
1. SGLT2阻害薬
尿に糖を出して血糖を下げる、比較的新しい飲み薬です。
(フォシーガ、ジャディアンス、カナグル など)
メリット
- 心不全や慢性腎臓病(CKD)の悪化を抑える効果が期待できます
- 体重が減りやすい
- 血圧や尿酸を下げる効果も期待できます
デメリット
- 膀胱炎、性器カンジダなどのリスクがやや上がります
- 尿量が増えるため、脱水に注意が必要です
- 薬価はやや高めです(3割負担で月1,300〜2,600円程度)
2. GLP-1受容体作動薬/GIP・GLP-1受容体作動薬
インスリン分泌を助け、食欲を抑えるお薬です。
(リベルサス、オゼンピック、マンジャロ など)
メリット
- 体重減少効果が強い
- 血糖をしっかり下げやすい
- 心血管イベント抑制が期待できる薬があります
デメリット
- 開始初期に、吐き気、胸やけ、便秘、下痢などの胃腸症状が出ることがあります
- 比較的高価です(3割負担で月1,300円台〜9,000円前後)
- 注射薬は自己注射が必要です ※リベルサスは内服薬です
3. メトホルミン(メトグルコ)
世界中で長く使われている、基本となるお薬です。
メリット
- 非常に安価で経済的
- 使用実績が長く、信頼性が高い
- 単独では低血糖が起こりにくい
デメリット
- 下痢、腹痛、吐き気などの消化器症状が出ることがあります
- 高齢の方や腎機能が低下している方では、慎重な投与が必要です
4. ツイミーグ(イメグリミン)
世界中で長く使われている、基本となるお薬です。
メリット
- インスリン分泌の促進
- インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)の改善
- 他のお薬と組み合わせやすい
デメリット
- 新しい薬のため、長期的な心血管・腎保護データは限定的です
- メトホルミンよりは高価です
- 苦味を感じることがあります
5. DPP-4阻害薬
日本で広く使われてきた、使いやすい飲み薬です。
(ジャヌビア、トラゼンタ、ネシーナ など)
メリット
- 副作用が比較的少ない
- 低血糖リスクが低い
- 高齢の方でも使いやすい
- 体重への影響が少ない
デメリット
- 体重減少効果は限定的です
- 心臓や腎臓を積極的に守る効果は、SGLT2阻害薬などに比べると限定的です
- 血糖を大きく下げたい場合は、他剤併用が必要になることがあります
主なお薬の費用の目安(3割負担・1か月あたりの概算)
内服薬
※横にスクロールしてご覧いただけます
| 薬剤名 | 用量(1日の標準的な量) | 自己負担額(3割) |
|---|---|---|
| メトグルコ | 500〜1,500mg | 約300〜550円 |
| アマリール | 0.5〜2mg | 約160〜430円 |
| セイブル | 150mg(50mgを毎食前) | 約650〜900円 |
| ジャニュビア | 50mg | 約750円 |
| 100mg | 約1,080円 | |
| トラゼンタ | 5mg(1錠) | 約1,250円 |
| フォシーガ | 5mg | 約1,350円 |
| 10mg | 約1,980円 | |
| ジャディアンス | 10mg | 約1,490円 |
| 20mg | 約2,550円 | |
| ツイミーグ | 2,000mg(1,000mgを1日2回) | 約1,600円前後 |
| リベルサス | 3mg | 約1,290円 |
| 7mg | 約3,000円 | |
| 14mg | 約5,000円 |
注射薬(週1回)
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| 薬剤名 | 用量(1日の標準的な量) | 自己負担額(3割) |
|---|---|---|
| オゼンピック | 0.25mg | 約1,650円 |
| 0.5mg | 約3,300円 | |
| 1.0mg | 約6,600円 | |
| マンジャロ | 2.5mg | 約2,300円 |
| 5.0mg | 約4,600円 | |
| 7.5mg | 約6,900円 | |
| 10.0mg | 約9,200円 |
費用についてのご注意
- 上記は2026年時点の薬価に基づく概算です。
- 実際の金額は、処方日数、処方内容、薬局での調剤料などにより前後します。
- ジェネリック医薬品を使用できる場合は、費用を抑えられることがあります。
当院から患者様へ
- 糖尿病治療は、無理なく続けることがとても大切です。
当院では、血糖値だけでなく、体重・血圧・コレステロールも含めて総合的に管理し、合併症予防と健康寿命の延伸を目指します。
気になる症状や健診異常がある方は、お気軽にご相談ください。